ANNIHILATOR といえば

1989年のデビューから現時点まで実に16枚ものオリジナルアルバムを発表し、未だに根強い支持をうけるカナダのベテランHMバンド。天才 Jeff Watersが生みだす楽曲群は、IRON MAIDENなど伝統的なHR/HMからの影響をみせつつ、90年代以降のモダンなリズム、ギターリフを付与した斬新なもので、多くの名曲、名プレイが楽しめます。

Never Neverland

Never Neverland

 

なにから聞くか迷ったら、まずは本作を。デビュー作からボーカルがチェンジ、楽曲の完成度、サウンドプロダクションの質は大幅に向上、Jeff Watersならではの天才的なギタープレイ、よく練られたユニークなリフが大いに楽しめます。タメの効いたミドルチューン#1 "The Fun Place" から 2曲目の疾走曲 "Road to Ruin" の流れはゾクゾクするほどカッコいいです。他の曲も特にギタープレイは聴きどころ満載です。 

Set the World on Fire

Set the World on Fire

 

 日本市場で本格的に認知された3作目。かくいう私も本作が入り口でした。良くいえば統一感があり、悪くいえばやや1本調子だった前作から一気に楽曲の幅が拡がり、Jeff Watersの柔軟な作曲能力を楽しめます。ブリブリするベースの疾走がたまらなくかっこいい#6 "Night Jumps Queen", 正統的な疾走メタル  #2 "No Zone", 過去になかったスローで叙情的な #5 "Phenix Rising"、複雑なリズムにらしいメロディが絡む #10 "Brain Dance"、一般チャートで大ヒットしてもおかしくないポップでメロディアスな #7 "Sounds Good To Me"など、名曲・佳曲の宝庫。ボーナストラックの "Hell Bent for Leather"(JUDAS PRIESTのカバー)もナイスです。ボーカルは再度チェンジしており、3枚目にして早くも3代目となりましたが、彼らの歴代ボーカリストでは一番好みでした。1枚で終わってしまったのはとても残念でした。 ドラムは後にEXTREMEやDREAM THEATERに加入することになる名プレイヤーMike Manginiですが、プレイはまだまだ地味です。

King of the Kill

King of the Kill

 

 4作目。Jeff Waters自身がボーカルも兼務するようになりました。作風は前作の延長で、Jeffのボーカルも思ったほど悪くないです。ライブの定番 #2 "King of the Kill", タメのあるリズムでザクザクするリフが気持ちいい #3 "Annihilator", バラード調の#5 "Only be Lonely", ブリブリするベースとシャープなギターが絡むキャッチーな#6 "21"、スラッシーかつキャッチーに疾走する #8 "Second to None" あたりが聴きどころ。佳曲が多く収録された好盤ですが、2~3作目の充実度からは一段下がると思います。

Refresh the Demon

Refresh the Demon

 

 5作目。ひきつづきJeffがボーカルを兼務。全体にややマンネリ感が出てきて、日本での人気にも陰りが出てきた頃です。とはいえ、#1 "Refresh the Demon" はらしいプレイ、展開でプレイリストに欠かせない佳曲ですし、疾走する #6 "Urtraparanoia", ポップでキャッチーな #7 "City of Ice"など聴きどころもあります。 

REMAINS

REMAINS

 

 初期の美しいソロプレイや展開力はほぼ消滅し、モダンでリズム重視の作風になった6th。日本における人気はこのあたりで一旦底になった気がします。今きくと#1 "Murder",#2 "Sexcution" などは素直にカッコよくライブ映えするノリのよい佳曲です。 

Carnival Diablos

Carnival Diablos

 

 8作目。前作は1作目のボーカリストを呼び戻して初期の作風を意図的に取りいれていましたが、正直 1stの劣化セルフコピーのような感じで全く魅力を感じませんでした。新ボーカリストを迎えた本作は、モダンでいながらもらしいリフ、ソロプレイが戻ってきており、モダンなリズムでザクザク走りながらメロディアスでらしいソロが入る #1 "Denied", キャッチーなリフが気持ちいい#7 "The Rush", 疾走からのMAIDEN風展開をみせる #10 "Epic of War"など、随所に聴きどころがある佳作です。 

Double Live Annihilation

Double Live Annihilation

 

 Joe Comeau在籍時のライブ盤。安定した音質、プレイで新旧の名曲が楽しめます。Jeffのギタープレイはもとより、 Joeの非常に安定したパフォーマンスに驚かされます。2nd~4thの曲をもっと!とも思いますが、5th以降の新しい楽曲群もライブで聴くと数倍カッコよく仕上がっているのに驚きました。音像が残念だった9作目からの #2 "Urtra Motion", #5 "The Blackest Day", #7 "Torn", #8 "Lunatic Asylum", #15 "Striker"あたりは、オリジナルアルバムより聴きやすく楽曲の良さを再認識できました。

 

以降の数作は新任ボーカルも含めてどうにもつまらなく感じてしまい、毎回少しだけつまみ食いしてはガッカリしての連続でしたが、最新作は久々によいかも!?と思い聴き込みはじめています。こちらの感想はまた後日。。。

For the Demented

For the Demented